富士山の上に菱形を配する大胆な意匠は、
まさに古九谷の得意とするところであり、
不思議と不自然さを感じさせないのもその特徴です。
上三方の雲や、菱形、中央を横切る白線、
富士山やその周りの雲など、すべて陰刻で縁取られています。
胎土の鉄の成分から、薄桃色に変色している部分もあり、
赤富士のような、景色となっています。
生掛けによる涙痕、古九谷特有の「青」の銘款、また高く厳しい高台も見所です。
甘手で、裏の口縁にくっつきがございます。
高台畳付内側に薄いホツレがございますが、この貴重なお品からすると、
さほどの問題ではないと思われます。
他に傷はございません。
ご覧の桐箱付きです。
よろしくお願いいたします。
口径 約 15.3 cm 高さ 約 3.4 cm 高台径 約 9.1 cm
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